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2024/05/18 16:40 |
不穏な かの国、透けて見えるこの国『底抜け合衆国』
半月ほど前ですが、お盆に購入した町山智浩さんの『底抜け合衆国』を読了しました。
ワタシにとって町山さんは映画の師匠のような方です。
町山さんが編集に携われた『このビデオを見ろ!〈アクション篇〉』は10代・20代に於けるワタシのバイブルでした。
『映画の見方がわかる本』も映画鑑賞の最高のサブテキストだと思います。興味のある方は是非ご一読ください。
 
本書はアメリカ在住の町山さんが、2000年から2004年(つまりは同時多発テロの直前からテロ後の時期)に掛けて主にTV・映画・雑誌などから見えるアメリカについてのコラムを集めたもので、徹底した下調べと明快な語り口から立ち上ってくるのは『ブッシュ政権下の病んだアメリカ』です。
 
ある程度時間の経った今だからこそ、当時町山さんがアメリカで感じていた「空気」が伝わってくるものがあります。
殆どのコラムから感じられるのは、当時のアメリカに対しての「不穏」。
確実に間違っているのに、なんかはっきりとそれを主張することが出来ない。これが21世紀の大国の現状とは到底思えないほど、かの国は、いや世界は病んでます。
そしてそれに追従する日本の現状について考えると、なんとも背筋が寒くなる気も。
特に『ポルノ規制と「フリードマン家の崩壊」』という陪審員制について言及された回は、日本でも裁判員制度が導入された今読んでこその薄ら寒さ度。マジで怖くなりました。そして町山さんの先見性に脱帽しました。
 
本著は2004年、ブッシュ再選を阻止すべく『華氏911』を製作したばかりのマイケル・ムーア監督のインタビューで本書は締めくくられます。我々はブッシュが再選された「未来」を知っているので、よりこの締めくくりが効いてきます。
 
あと著作権に関する下りで「その通り!」と思わず膝を打った箇所がありました。
『75歳のミッキーマウスを禁欲から解放せよ』という回ですが、M氏を応援してくださる方々には是非お読みいただきたいです。
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2009/10/02 21:48 | Comments(0) | TrackBack() |
RS の想い出(投稿篇)
先月でしたでしょうか『ロードショー』誌が休刊になったのは。

本ブログでも思い出を書いたりしました。

『スクリーン』誌にはまだまだ頑張ってもらいたいところですが『スクリーン』って、俳優の名前の表記が独自のものであることが ままあり、「ケビン・コスナー」が「ケビン・コストナー」、「マシュー・マコノヒー」が「マシュー・マコノヘー」という表記になっているのが何とも違和感を感じたものです。

確かに英語のスペルはそう読めたような。



それはそうと、休刊になった『ロードショー』で思い出したことがあります。

その昔、ワタシが中高生時代に「読者の広場」的コーナーに投稿したことがあります。

2通送ったのですが、なんと2通とも掲載されました!



1通は「進学する予備校も決めて、勉強もせずに『ロードショー』読んでます」みたいな「若さ余ってヌルさ100倍」みたいな、そんなこと言われたって的内容で、ここでカミングアウトするのも恥ずかしいこと山のごとしです。若気の至り風林火山。



もう1通は映画のタイトルをパロって・・・「パロって」って何年振りに使用したかしら!?10年は経ってるんじゃない?もう完全な死語ですよね!?

まあそれはいいでしょう。映画のタイトルのパロディーみたいなのを募集しているコーナーがありまして、当時ヒットしていた『グーニーズ』のパロディを投稿したのでした。



え、内容?



「わんぱく5人組みがオムツを探す痛快アドベンチャー



『ムーニーズ』」



・・・これ聞いて嫁はあまりのくだらなさに「い、息ができない~」と、のたうち回ってました。まだ鮮度ある?

くだらないこと風のごとし。



こうしてワタシは10代にしてマスメディアに寄稿し、華々しいデビューを飾ったのですが、掲載の記念品としてロードショーのロゴ入り巾着などをいただきました(他は忘れた)。

いただいといて申し上げるのもナンですが、この巾着、固いビニール製で大きさもA5サイズ位と正に「帯に短しタスキに長し」を体現したかのような中途半端っぷりで、扱いに困ったワタシは、友人のハタヤマ君の誕生日にプレゼントしました。プレセントという名の何なのかは追及しないでいただきたい。貰ったハタヤマ君は 「・・・・・・こんな大事なもの貰っていいの?」と字面的には感激した 内容でしたが、気持ちが入っていませんでした。顔には明らかに「ありがた迷惑」の文字がくっきり読み取れました。

元気かなぁハタヤマ君。


2009/01/24 07:03 | Comments(0) | TrackBack() |
久々の読書的興奮 『刑務所の王』
いや面白かった!
昨年古本屋で買った(この時の事はブログで書きました)井口俊英『刑務所の王』を今更ながら読了しました。
久方ぶりに本を読む喜びを満喫しました。
 
著者はワタシもおぼろげに覚えている大和銀行の不正取引事件の当事者(その顛末を書いた処女作『告白』も是非読みたい!)。
有罪となりアメリカの拘置所で刑期を務めることになったのですが、そこで出会ったのがアメリカの刑務所最大のギャング組織『アーリアン・ブラザーフッド』の創始者であるジョージ・ハープ。著者はハープと親交を深め、本人の許可を得て出所後、彼の半生を本にしたのがこの『刑務所の王』。
 
もうこのいきさつだけで面白いのですが、全てが本物の迫力に溢れ、ちょっとした描写や服役者が使う隠語・符牒ひとつ取っても圧倒的リアリティで読み手に迫ってきます。
 
将来を嘱望されるアメフト選手だったハープが、理不尽な経緯で犯罪者として刑務所行きになる悲劇。ブラック・パワーの台頭による黒人受刑者たちとの人種的緊張、刑務官の横暴、チャールズ・マンソンの獄中の様子、犯罪者から小説家になったエドワード・バンカー(以前、彼の作品『ドッグ・イート・ドッグ』を読みましたが本物の迫力でした)との親交など、一人の男の数奇な半生としても、アメリカのもうひとつの年代記としても読むことが出来ます。
 
とにかくこの主人公ジョージ・ハープのどんな相手にも屈することなく、己の肉体と知恵で暴力の世界を渡っていくカッコよさは小説のようです。
筋トレを欠かさず、読書家で知性と教養がありながら並外れた度胸もある。
刑務所側が持て余して、たらい回しにする程問題視される一方、仁義を重んじ、紳士的な態度を持って接してくる人間には、あくまでも紳士的態度で臨む。
そんな裏世界のヒーローと元エリートサラリーマンの作者が親交を持つというのも『釣りバカ日誌』的で一種、ファンタジーのようです。
また組織論や「老い」という普遍のテーマまで見えてくるときたもんです。
読み終えるのが寂しく感じるほどでした。
 
絶版なのか、地元の本屋で本書を見つけることは出来ませんでした。
それゆえ偶然、本書を手元に置けたことは、ある意味「縁」だと思います。
 
興味のある方は是非ご一読を。
ネットでなら入手可能のようです。

2008/07/18 23:00 | Comments(0) | TrackBack() |

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