[PR] 忍者ブログ記事別アクセス推移 あさぶろ 忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2025/04/19 17:20 |
夏休みまんがまつり
今年の夏は何が印象に残ってるかといいますと、「漫画」なのです。
この夏、2作の漫画に夢中になりました。

どちらも既に超人気コミックなのですが、今更ながらその面白さに触れました。

1作は浦沢直樹さんの『20世紀少年』。
巧みな構成と先の読めないストーリーに、おじさん、もう夢中。
その昔、私が20歳の頃、考えた物語を思い出しました。

友人との連絡も断ち、一人上京して大学合格を目指す予備校生の主人公のアパートに中学時代の友人がやってくる。
それを機に主人公は事件に巻き込まれ、中学時代と現在との描写を交互に交えながら事件の真相と己の過去に決着をつけに向かうのであった・・・。

こんなあらすじを考え付き、従兄に話したら
「悪いけど、オレならそんな本があっても買わないね。」
と一刀両断されたのですが、確かに幼稚な自己陶酔的ストーリーで改めて思い返してみるとお恥ずかしい限りなのであります。
そんな凡人の私が考えた話にどことなく『20世紀少年』は似ているのですが、見事に傑作漫画に仕上がってます。

きっと作者の浦沢さんは1970年前後、そして自身のその頃の思い出、つまりはノスタルジーと、「音楽で地球を救う男の話」が書きたかったに違いありません。
凄いのは娯楽作品として見事に昇華させるその腕力です。
「書きたいことを読み手に伝える力」
まざまざと見せ付けられました。

もう1作は奥浩哉さんの『GANTZ』。
主人公がゲーム的環境に置かれるという設定は、今日び私を含め誰でも考えつくものなのですが、やはり天才は凡人が考えるようなレベルの遥か上で幾重にも張り巡らせた設定や世界観をもってストーリーをグイグイ引っ張っていきます。
筋運びも、ゲームに慣れた読者が飽きないような変化球、且つスピーディーな展開で先を読ませません。
最初はドギツイ残酷描写や、主人公のドライな考え方に拒否感もありましたが、それすら作者が伝えたいことの為のお膳立てだったのには驚きました。
きっと作者は、少年の成長を描きたいのでしょう。
そのためにはある程度のページ数を必要とします。
それゆえ、連載で不本意な最終回を書かないための周到さも感じます。
「読み手のテンションを落とさずに、自分の伝えたいことを伝えきる」ということを強く感じました。
また作者が若いと書けない物語だなぁとも感じました。

『20世紀少年』は作者が人間的成熟を果たしたからこそ、書ける作品。
『GANTZ』は作者が人間的成熟を遂げつつある過渡期にこそ書ける作品。
という風に感じています。あくまで私の勝手な解釈ではありますが。

そしてお恥ずかしながらこの2作とも、全て立ち読みでした・・・。
いい歳して連日古本屋のコミックコーナーに通いつめる暴挙を成し遂げました。こんなカミングアウト、何のメリットも生み出しません。
そうだ、山本英夫さんの『ホムンクルス』も面白かった。特に1巻が。
PR

2007/09/04 21:10 | Comments(0) | TrackBack() | 未選択

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<マトリックス・キャット、ふたたび | HOME | 書いてる自分が「訳が分からない」>>
忍者ブログ[PR]