それは昨年秋のこと。
用があって地元の結婚式場に来たワタシは、予定の時間より早く到着した為に駐車場に車を止めて時間調整をすることにしました。
式場の建物の方に車を向けて駐車して時間を潰していたのですが、ワタシが駐車する前後から建物のそばに一人の女性が待ち合わせをするかのように立っているのに気付きました。
齢の頃は20代後半から30代初め。襟ぐりの広い、鎖骨が出たニットのような白いセーターに、足の付け根位しかないジーンズのショートパンツ、黒の網タイツにパンプスを履き、真っ赤なベレー帽をかぶっています。
正直、田舎の町には似合わない派手目の格好です。いやもっと正直に書きますと風景から浮いてます。建物の陰に立ちながらも通りを気にしています。通りに立っていたら文字通り「ストリート・ガール」でしたが、今はまだ昼の日中。時刻は10時を回ったところです。次は交通情報です、交通情報センターの佐藤さぁん、って佐藤さんって誰って話です。
ワタシが10分位車内で時間をつぶす間、この女性は待ち人は来ないのか、ずっと立っています。
季節は11月の上旬。その格好ではちょっと寒いのではないですか。いくら好きでやってるにしろ。
その真紅のベレー帽は相手が見つけ易くするためにかぶっているのですか。それともアナタは女流漫画家なのですか。アシスタントは何人いますか。探し物は見つけにくいものですか。すいません阿佐ヶ谷まではどの電車に乗ったらいいですか。
そんなことを考えている内に、時間が来たのでワタシは式場へと入って行きました。
ワタシが行った先は、パーテーションで区切られた打ち合せ用テーブルがいくつもある一角でした。
しばらくそこで打ち合わせをして用事を済ませたワタシは、駐車場へと向かおうと席を立ったその時!
向こうのパーテーションから真っ赤なベレー帽が覗いていました。
なにげなく少し移動して(我ながら物好き)見てみたら、隣には刺しゅう入りの高そうな白いトレーナーを着て、ヒゲを生やしたやんちゃ系の若者が白いベレー帽をかぶり、二人座って対面の式場担当者の話を聞いています。女流漫画家に対し、こちらはガラの悪い やくみつるさんのようです。
結婚式の打ち合わせに来たのか。あれは婚約者を待っていたんだな。
謎は解けました。
しかしそのことよりも
「彼女が赤のベレー帽で、彼氏が白・・・・・・なるほど紅白か・・・
・・・そりゃめでてえわな!」
と自分の明快な推理に酔いしれるのでした。
「彼女が赤のベレー帽で、彼氏が白・・・・・・なるほど紅白か・・・
・・・そりゃめでてえわな!」
と自分の明快な推理に酔いしれるのでした。
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