あさぶろ

土曜の富山行きの続きです。

祖母に顔を見せた後、伯母の紹介してくれた整体師の方の御自宅に行ったのです。

出てきたのは、ワタシより若い、両手の中指・薬指・小指にシルバーリングをはめた青年。
施術室には、中国のシンガーと思しき曲がかかり、ワタシが診療カードを書いている間、曲に合わせてリズムを取ってます。
こりゃ面白くなりそうです。

そうして施術開始となりました。
感じていた通り、足は左右の長さが違い、右の方が長くなっているとの事。また、昔、右の腰を強打したと思われる痕跡があるらしく、それによって背中・腰の骨が曲がっているのだそう。
それも施術によって、バキバキッと元に戻して頂きました。

この若先生、施術中に頼んでもいないのに、どんどんご自身のことをカミングアウトされます。
「ホラ、（先生の）右と左の肩の長さ、ちがうやろ。格闘技してると、こうなるがよ。」
「空手、柔道、レスリング。少林寺拳法は今もやってる。」
「まだ30前なのに頭、薄くなってきて。遺伝やろか？」
初対面で聞いていいのかって位、心を許して（？）話してくれます。
ワタシもそれなりに、そんな会話を楽しんでいたのですが、まもなく発火点がやってきました。

「高校卒業したらスタントマンになりたかったがやけど、家の事情で諦めたが。」

「へぇ～、誰に憧れてたんですか？」

「もうオレはジャッキー・チェンやね。」

なぬ！？ジャッキー様の信奉者がここにも！？
「ワタシも小学生の頃から大好きです！」

ここからですよ、奥様（って誰！？）！一気に二人のボルテージは上がり、あの映画のこのシーンは良かったとか、オレはジャッキーに3回会ったことがある、ユン・ピョウに『燃えよドラゴン』の出演シーンを確かめたら、「よく分かったね、確かにあれはボクだよ」といわれたとか、果ては北野武さんと勝新太郎さんの『座頭市』の違いだとか、熱く語りまくり。
気がつけば先生、施術しないで椅子に座って話に夢中になってます！
「あの、ワタシの親も施術お願いしたいんで、そろそろ・・・。」って普通先生が言うでしょ。ワタシの方が心配になって言っちゃいましたもん。
「あ、そうですか。じゃ、呼んでください。」・・・って、先生、ワタシの施術とっくに終ってたんですか！？

まあ体の調子も良くなりましたし、ジャッキー様のことで、あんなにディープに話が出来たのも初めてだったしで、良いご縁でした。

帰り際、先生が「今度食事したいですね。」との言葉に「そうすね。今度飲みたいですね。」と返す姿に周囲はビックリしてました。
楽になったし、楽しかった。また行きます。

ちなみにワタシの施術時間は1時間半。うち、施術は30分位。あとはジャッキー様のお話。
ワタシの親の施術は15分でした。

伯母はその間中、先生のお婆様とお茶を飲んで待ってました。ごめんなさい。