先日DVDをレンタルして『スパルタンX』を観ました。
『最近観た映画』の原稿で書いていたら、書きたいことが多くて長くなってしまいましたので、これ1本のみの感想で書くことにしました。
劇場でリアルタイムで観たこの作品、語ると『でがらし魂』級にとめどなくなりますが、我慢が出来ないので少しだけ。
劇場公開時の音楽が付いたバージョンで観たかったので、レンタルしてるお店を探しました。
過去TV放映されたバージョンは多分香港公開バージョンで、日本公開版より音楽が中国テイストの入ったものだったと思います。
原体験が日本公開版である為、もう1回、日本公開版が観たいとわざわざ探したのでした。
そしたらこれがずっとレンタル中で、来る日も来る日もレンタル中。毎週のようにレンタルビデオ屋に足を運ぶもレンタル中。そんなに旬の作品じゃないし、誰か延滞してるのでしょう。くそっ、誰だ借りてるの!?早く返しなさいよ。返さないと自宅に恐怖新聞配っちゃうよ!とか思う日々でしたが先日ようやく返却されていて借りることが出来ました。結局最初に借りに行ってから2ヶ月が経っていました。
こうなってくると『スパルタンX』への期待が自分の中で30割増しくらいに高まっていたのですが、いざ始まってみたら
♪ぴ~ひょろり~(笛の音)
・・・これ中国公開版じゃないの?騙された!!(← ていうか、勝手に勘違いしただけだけど)
ハ!?まてよ。
音声設定で中国語の他に英語があったな。もしやして・・・
設定を変えて再生してみると、
♪ちゃーちゃちゃら ちゃーちゃーちゃちゃー ちゃーちゃちゃー
おぉっ!これだ、これだよ!!ワタシの求めていた『スパルタンX』は!
今聴くと随分安っぽい音だが、そこは想像力で埋めて下駄を履かせるしかない!
本編は10年近くぶりに観たんですが、見事にチャイルディッシュな内容。
そりゃ中学生だった当時のワタシもハマるだけあるわという、中学生が考えたようなストーリー。
でも1つずつ挙げていくと、『でがらし魂』になっちゃうので泣く泣く割愛します。
2000年代に生きるものにとっては、80年代というのは何ともむずがゆく恥ずかしい時代だと思います。
今じゃ着られないカラフルなファッション、べっ甲ぶちのメガネ、一見無頓着、その実無頓着な髪型。ザッツ 香港映画80’s。若いっていいよね。
しかしジャッキー映画史上ベストバウトに挙げる方多数の(ワタシも1位)、ジャッキー様vsベニー・ユキーデのファイトシーンは何一つ色あせることの無い本物の迫力。
当時挑戦的なユキーデが何回言っても寸止めせずに本身で当ててくるので、ジャッキー様がキレた、という有名な逸話がありますが(それでもユキーデはニヤニヤ笑っていたそうですが)、その緊張感が他の作品に無い凄みとしてフィルムに定着しています。
メンバー仲の良いバンドが、良い作品を作るとは限らないと大槻ケンジさんが自身の著作で書いていました。解散寸前のバンドが、その拮抗する力関係により絶妙な化学反応を起こし、名盤を作り上げるなんて事もよくあるそうです。
そんな話を本作のジャッキー様とベニー・ユキーデの対決シーンを観ながら思い出してました。
そして今だから分かる、もっとも美味しい見せ場はジャッキー様が持っていってるワンマン振りとサモハン、ユン・ピョウとの力関係も垣間見えて、裏読みも楽しい。
ラストシーンは登場人物らの「終わらない夏」を象徴していて、これは『ジャッキー版 ずっこけ3人組』なんだと気付きました。
そんな風に軽い満足感を胸に観ていると、最後、サモハンをジャッキー様・ユン・ピョウが突き飛ばしたところでストップ・モーションで・・・なんてこった、NGシーンが無い!そのままストップ画像にエンドロールが流れてるよ!ワタシが劇場で観た『スパルタンX』ではない!?
ワタシの思い出の中にある『スパルタンX』探しの旅は、まだ続きそうです・・・。
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