昨日の いさらレポートでも書きましたが、先週土曜に映画『アイアンマン』を観てきました。
『鋼鉄の男』というと、ワタシなんかはアーノルド・シュワルツェネッガーが出てるボディビルのドキュメンタリーを思い出すのですが、これが『更迭の男』ですと先ごろ問題発言で辞職した某国の大臣なんかを想起させるわけです。
今回観た『アイアンマン』はアメコミの映画なのですが、天才科学者兼大企業社長の主人公がパワードスーツを自作(ある意味手作り)、自ら着込んでやりたい放題やんちゃ尽くし、という内容。
これは日本のアニメ・コミックでありそうな話ですので、是非日本でも和風アイアンマン、いうなれば『和イアンマン』を制作してもらいたい、そう切に願うのであります。
主人公が一人ぼっちでプラモデルを作るようにコツコツとパワードスーツを製作する下りは、藤子・F・不二雄先生の『21エモン』みたいです。
続編もこのプラモ感覚を忘れずに製作して欲しいです。
同じくアメコミの映画化『ダークナイト』はタイトルどおりダークな内容でしたが、『アイアンマン』は気分爽快な映画化と思いきや、こちらも結構テーマは深刻でした。
自社兵器を利益優先で製造・輸出した結果、大義名分がどうであれ大量殺戮の一助を担っているという事実を突きつけられた主人公が、背負いきれぬ業の解消のためにアイアンマンになるといった、今のアメリカを象徴するような設定になっている為、どうしても 「こいつ(アイアンマン)のやってることも、見方を変えれば大国のやってることと変わりないじゃん」と、能天気に楽しめないのです。
「兵器製造輸出で巨万の富を築いた主人公」が「自社の兵器を使用して殺戮を行なう悪いヤツら(この「悪いヤツら」の定義も色々ありますが)」を「自社の兵器を売って得た富でパワードスーツを製造」してやっつける。
果たして、一番悪いヤツは誰なんでしょうか。
上記の図式が見事に「暴力の円環」を形作っています。
この構図があるためストーリーラインは中学生が考えたようなものにも拘らず、大人でも充分に鑑賞に堪える出来になってます。
それから役者について。アダルティなセレクトで、実力派ですが若々しさが皆無なところが特徴的。
ロバート・ダウニーJr.は、目ぇかっ開いた時の黒目の大きさと白目の充血具合が、いかにも不健康そうで死んだ魚を思わせて怖いです。
ジェフ・ブリッジスは、今までの出演作を知ってる人なら「何があったの!?」的変貌ぶり。
そしてテレンス・ハワード。あの傑作『ハッスル&フロウ』のヒモでラップの上手い主人公は素晴らしかった。この人、目がきれいなんですよね。『ハッスル―』のときはあんな目がきれいなヒモはいないんじゃないかと思った位。でも本作ではキューバ・グッティングJr.と観終わるまで間違えてました・・・。
ところで「プラモ感覚」で思い立ちましたが、我が国でプラモ感覚、ていうかプラモそのものが題材の『プラモ狂四郎』の実写映画化されたら観てみたいです。この手の変身もの・ロボットものを日本でやらない手は無いですよ!
それにしてもあの自由奔放な中年天才科学者、M氏を思わせるんですよね・・・。
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