先週の土日と旅に出ておりました。
行き先は富山。
富山は親戚がいるため、年に何回も足を運ぶものの毎回、親戚回りと墓参りで終わってしまうので観光といった趣はありません。で、そんな「近くて遠い」富山へ観光主体で行ってみようという初の試みでありました。
朝の7時過ぎに出発し、とある高速のサービスエリアで朝食を。悩んだ挙句、食い倒れてやるオーラを全開にして、朝から醤油とんこつラーメンを頼みました。お味の方は訊かないでいただきたい。
富山インターで一旦高速を降り、入院中の祖母を見舞い、再び高速へ。
向かった先は五箇山でした。
五箇山は昔ながらの合掌造りの家屋が点在する集落があり、菅沼・相倉の集落は世界遺産に登録されています。
その両集落へ行く前に、行徳寺と岩瀬家という民家を見に行きました。
なんといいますか、紅葉が始まった山が目前にあり、渓谷に渡る橋があり、昔ながらの街並みがあり。旅の気分は嫌が応にも盛り上がってきます。
行徳寺と岩瀬家は隣り合わせで、観光客の為にトイレ完備の駐車場もあります。
まず行徳寺の方に行ってみますと・・・
「ギャー、ギャー」
うおっ!カラスが茅葺きの山門の上と周りに10羽近くいるではありませんか。羅生門か!?
ひとまずお参りをして岩瀬家へ。
入館料を払って屋内へ上がると、黒光りするぶっとい柱や囲炉裏が。囲炉裏前には初老の男性がおり「どうぞ、こちらへ。話をしますから」と手招きをしてます。
行ってみると、座るように促され、囲炉裏で沸かしているお茶を振舞われました。このお茶がこれまた美味しい。後で売店を見たら、どくだみ茶だったようです。でもなんかこの展開、グリム童話の日本版っぽくないですか?
お茶を飲んだら昏倒して、おじちゃんは狼に実は食われてて、この民家はチョコで出来てて。そんな展開が待っているのでしょうか。
とりあえずお茶を飲みながら、あたりを見回して初老の男性との会話の接点を見出そうとしました。
ワタシ 「うわー、柱ぶっといなー」
男性 「・・・」
ワタシ 「・・・へぇー凄いなぁ。囲炉裏、良い味出てるなー」
男性 「・・・ではね、話を始めます。」
事務的!事務的なり!!ワタシの気遣い無駄遣いだったなりぃ!!!
お話はタメになるものでした。この合掌造りの家屋はクギやクサビを使用していないこと。2000戸あった合掌造りの家屋も、現在ではごくわずかになったこと。上の階では蚕を飼っていたこと。話の中に出てきた「お蚕さん」という呼称も、暮らしの中に養蚕があったことの名残なのだなぁと、そんなとこに知ることのない暮らしぶりを感じました。
縁側から覗く庭には池があり、鯉が泳いでいます。
そしてその奥の林には、川(沢?)が流れザーッという音がしてます。町の人間からすれば、今となっては贅沢な居住空間です。
階上は階下が透けて見えるくらいの感覚で足場が組まれており、歩けば木がたわむのが分かります。
とりあえず旅の序盤としては上々でしょうか。
次は菅沼集落へと向かいました。
(続く)
追記:旅から帰ってからガイドブックを見直してびっくり。あの初老の男性は、五箇山マイスターとしてガイドブックに思いっきり写真が載っていたのでした。
話が終わって最後、囲炉裏に栗が吊るされていたのを、何のためにやってるんですか?と訊いたところ「これは栗に虫がつかない為にやってるんですよ」とちゃんと答えてくれました。一応フォローしておきます。
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