シロウトの話は、あらぬ所に着地するようなものがあります。
ネタでない為に、フリとオチとがキレイに結びついておらず、それが故に、かえって荒削りなパワーを帯びることがあります。
本日、ヨメの実家が祖母一人のために夕食を一緒に食べるということになりました。
食事中の会話も盛り上がり、祖母もいつになく自身の昔話をしてくれます。
基本、こういう自分が体験し得ない話や、その人の歴史を垣間見ることの出来る話を聞くのが好きです。自分が語るのも好きですけど。経験上、往々にして年長者の話には何かしら得るところがあります。
祖母の話の中でも特筆ものだったのが、「若林先生」。念のため名前は仮名にしました。
このダイナミックな話を記憶している限り、この場で再現してみたいと思います。その価値があると思うので。
「オラ(祖母)が子供の頃に学校に若林先生ってのがいてさ。もう5メートル位の棒を持って授業すんだわね。なんでかっていうと、授業を聞いてない教室の後ろにいる子供を、その棒で教壇から叩く為だわ。おっかない先生でさ。震え上がったもんだわね。
その若林先生が冬に当直してる時に火事出して当直室燃やしちゃったんだわね。
それも近所の人に呼ばれて、その人ん家に酒飲み行ってる間に自分の吸ったタバコの吸殻がコタツに燃え移ってさ。
その前の秋に学校の生徒全員で落穂拾いして、5俵ほど落穂集めてさ、それを売った金で当直室建てたばっかでさ。ぜ~んぶ、若林先生きれーいに燃やしちゃった。跡、灰しか残ってなかったわね。
若林先生?その後どっかの学校流れてったわ。」
凄い話だと思いません!?内容もさることながら、前フリと思われた「若林先生の5メートルの棒」のくだりがオチに至って全く機能していないと判る驚愕のクライマックス。
生徒に恐怖を与えた若林先生の予想だにしないラスト。
まさか祖母からこんなすべらない話を聞けるとは思わなんだ。
いやー良い夜でしたわ。