休日、夕方にテレビで『水戸黄門』を再放送してました。
クライマックスを迎えたところらしく、西村晃さんの黄門様と伊吹吾郎さんの格さんや、由美かおるさんらが大立ち回りを始めていました。
驚いたことに、その立ち回りが下手なアクション映画よりもキマっているのです。
ワンカットで二人のキャラクターが立ち回るところをしっかり見せたり、役者陣も手の多い殺陣をすばやくこなしていて、眼から鱗が落ちる思いでした。侮れず『水戸黄門』。
番組は、しばらく悪者を相手にたっぷり暴れ回ったところで、「控えぃ、控えぃ!」。
♪ちゃ~ちゃらららら~ら~ のBGMにのせて印籠が出ました。
悪者、善人、みんな平伏です。
観ながらワタシは「弱い者いじめ」という言葉の定義について考えていました。
民を虐げていた悪代官一味。
確かに民を虐げるのは弱い者いじめでしょう。
けれど「弱い者」というのは、いじめる側が圧倒的な肉体的・経済的・社会的等優位にある場合に成り立つ言葉です。弱い者からすれば、どうやっても敵わないような。
だとすれば、最初から印籠を出さずに相手を嬲るだけ嬲って(しかも真剣に対し素手で戦っても楽勝状態)、気が済んだら印籠を出してお裁き、とくれば、これを弱い者いじめと言わずして何を弱い者いじめというのか、と思ってしまいます。ご隠居の道楽?
しかも観ていると、どうやらこの回のお話は悪者に身内を切られた親族が、仇討ちの行脚の途中に黄門様ご一行と出会ったりしながら、ようやく見つけた仇敵一味につかまり大ピンチ。そこに現れた黄門様ご一行がいつもの如く大立ち回り、といった話だったらしい。
そしてその場で黄門様の計らいにより、黄門様自身が見届け人となって仇敵と遺族の長男が一騎打ちすることに。
ところが青二才の長男より、仇敵の方が強く、このままだと親父に続いて長男も敵の刃に!どうする長男!?
とそのとき黄門様が、石だか、扇子だかを仇敵の頭に投げつけた!
えっ!?
今にも長男を斬りそうだった仇敵の後頭部に、石(だか扇子だか)は思ったとおり大ヒット。頭を抱え動きを止める仇敵。そこに黄門様のアップが入り
「今じゃ!!」
えっ?反則!?
長男、その機を逃さず仇敵の懐に飛び込み、愛刀をブッ刺し!卑怯!卑怯千万!
そこで黄門様のアップ!
「(うなずきながら微笑んで)良くやった。」
黄門様、完全な判官びいき。
・・・これって弱い者いじめと違うの?
『水戸黄門』は色々な示唆を与えてくれます。深い・・・。
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