映画を観るペースを落とそうと思いました。家で観る映画は、最近惰性で観ているような気がします。
いつでも一緒にいると倦怠期になるものです。
新鮮味さを取り戻す為に距離を置こうかと思いましたが、お茶漬けの味は中々離れがたいものです、って何の話!?
新鮮味さを取り戻す為に距離を置こうかと思いましたが、お茶漬けの味は中々離れがたいものです、って何の話!?
今回は以下の映画を観ました。
『グラインド・ハウス in プラネット・テラー』
『グラインド・ハウス in デス・プルーフ』
『ヘアスプレー』
『悪党ジョーカー vol.1/vol.2』
『ゆれる』
『太陽が弾ける日』
『天国と地獄』
『キングダム/見えざる敵』
『クローズZERO』
『グラインド・ハウス in プラネット・テラー』・・・グラインドハウスで上映するような映画というコンセプトはワタシも納得できます。
中高生の頃通った地元の映画館は線路沿いにあるため、静かなシーンですと電車の通る音が聞こえましたし、階上はボーリング場だったので、上映中ボールがレーンを転がる音やピンを倒す音が上から聞こえてました。でもそこがまた良かったのです。
また、時折スクリーンに一瞬映るゴミや、無音の時の「サー、ブチ、ブチッ」というノイズも「嗚呼、今ワタシは映画館に映画を観に来ているんだ」と再確認させられテンションが上がったものです。
売店でチョコフレークを買って食べたり、当時は入替制などなかったので売店でパンを買って一日中映画を観たりするのが贅沢でした。
地方ならではの2本立て、時には3本立ても楽しい思い出です。
本作も、今は無き『高田ムービータイム』なる映画館で観た『クリープ・ショー』を思わせる、如何わしくも一見頭を使って無さそうなストーリーで、ワタシのような映画体験を持つ方には許せる1本でしょう。
しかしさりげなくストーリーは練ってあったり有名スターが出演していたり、CGも効果的に使用していたりで今の観客が飽きないような配慮はしてあります。
ただコンセプトで遊びすぎたか、1本の映画として観ると(狙って)破綻しているところもあり、他人にお薦めできるかと申しますと「うーん、興味があるなら観てみて」といった感じです。
『グラインド・ハウス in デス・プルーフ』・・・タランティーノは、ワタシにとってはやっかいな監督で、初見で好きになった作品は1本もありません。ところが間を置いて再見すると無茶苦茶ハマることが多いのです。今回はまだ1回目なので、はっきりとした評価は出来ません。
CGに頼らない70年代的カーアクション・シーンは見ごたえあります。
『ヘアスプレー』・・・オリジナルは未見ですが、良い作品でした。50’sテイスト溢れる絵ヅラから醸し出される「毒」は明らかにオリジナルの作者ジョン・ウォーターズのもの。前向きなテーマにノリの良い楽曲、役者達の好演。ジョン・トラボルタの母親役が取りざたされがちですが、クリストファー・ウォーケン演じる人の良いお父さん(歌、歌ってます!)、80、90年代のトップ女優であるミシェル・ファイファーの悪役という意外さがワタシ的には印象に残りました。全体的に作り手の愛情が伝わってきて好感。『ドリーム・ガールズ』『プロデューサーズ』といい、やはりここ2、3年、ミュージカルに良作多し。
『ゆれる』・・・久しぶりに考えさせられる映画を観ました。多分初回と2回目に観るのとでは印象が違うのではないでしょうか。観客に解釈の余地を与えるシーンが多く、それ故にラスト近くのオダギリ・ジョーさん演じる弟のモノローグが蛇足にも取れましたが、そこは作り手の言いたかった事なのでしょう。
弟が夢中のあまり道路を横断しようとして車にはねられて終わり、というラストかと思ったら違いました(苦笑)。
オダギリさん、香川照之さんがとってもいいです。
『天国と地獄』・・・観たいと思いながら長年縁が無く、今回ようやく観ることが出来ました。傑作を連発していた頃の黒澤作品だけあって、脚本の相変わらずの緻密さには舌を巻きます。そして岡の上の邸宅、その下の低所得者住宅地、こだまのシーン、どれもリアリティある迫力。ストーリーを進行させながら自然に人物描写を絡ませる巧みさ。あっと驚くカラー場面。後のサイコものを予見するかのような先見の明といい、必見の傑作でした。
『キングダム/見えざる敵』・・・アメリカと中東の関係を予習しておいて観ると、より面白いのでしょうが、予習してなかったワタシはオープニングの説明場面で若干ついていけなくなりました(汗)。
物語は使い尽くされたバディ・ムービーを『レッド・ブル』のような異文化交流モノでアレンジした骨子ですが、現実の世界情勢を舞台にしており、辛口です。その為、クライマックスの銃撃戦は本当に目を離せない緊張感。ここ最近の映画の中では、かなり抜きん出たアクション・シーンだと思います。公開時の批評によく書かれていたラスト近くの一言は、確かに今の泥沼状態を喝破しています。
その他は省略であります。
PR
トラックバック
トラックバックURL: