しかしいくら観ても、観たい映画が尽きないというのは、常に追い立てられているようで時折困ります。
1回、観たい映画全部観ちゃって観るものない状態になってみたいです。
前回から8月の上旬位までに以下の映画を観ました。
『ドラムライン』
『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』
『東京オリンピック』
『デビルズ・リジェクト/マーダー・ライド・ショー2』
『リトル・チルドレン』
『ギャラクシー・クエスト』
『過去のない男』
『しゃべれども しゃべれども』
『街のあかり』
『ドラムライン』・・・観るのは2回目。初回の興奮は蘇りませんでしたが、演奏シーンは相変わらず燃えました。生意気だけどドラムの才能がある若者の成長を、飽きさせずに描いた快作だと思います。
『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』・・・初回の感想は既に書きましたが、2回目の今回は筋が分かっている分、遊び心や演出の妙を楽しめて初回よりも面白く見ました。こうなってくると以前感じたバランスの悪さが気にならなくなるから不思議です。
『東京オリンピック』・・・最初の20分は圧巻。撮影も編集も素晴らしい。延々と続く競技シーンは正直に申しますと集中力が続きません。ただ閉会式のシーンは当時の日本人の心境が伺えて、ちょっと涙目になっちゃいました。そんなこんなを含めて、オリンピックの年に本作を観れて良かったです。
『デビルズ・リジェクト/マーダー・ライド・ショー2』・・・残酷描写ゆえに一般受けはしないかもしれませんが、アメリカン・ニュー・シネマや『悪魔のいけにえ』のセンスあるオマージュを全編盛り込み、それでいて猿真似レベルではなく「個性」にまで昇華させた手腕は非凡の才。本職がミュージシャンで監督2作目とはとても思えないロブ・ゾンビ監督。凄い。
『リトル・チルドレン』・・・「『アメリカン・ビューティー』みたいにセンセーショナルな要素を盛り込んで「現代人の病める現状」みたいなテーマを建前に、ラストは今風に『クラッシュ』のようにしておけばアカデミー賞候補は確実。そんなストーリーをケレン味ある演出で描けば観客も飽きないからヒットもするし、もう完璧。」みたいなヤラしい作り手の意図が見え隠れして好きになれません。でも最後まで飽きずには観れます。
『ギャラクシー・クエスト』・・・観るのは2回目です。初見で気に入りDVD購入の候補にずっと挙がっていた作品ですが今回BS放送で観ました。2回目も面白かった!2回目も泣いた!『スター・トレック』好きな方なら尚更号泣でしょう。
スター・トレックは映画版とスター・トレック狂の人々のドキュメンタリー映画『トレッキーズ』(アメリカにおけるスター・トレック文化を知るには格好のテキストです)を観た位ですが、笑えるオマージュが満載なのが分かります。
「一生懸命にやったことは、いつか報われる」「人は何度でもやりなおせる」「オタクは宇宙を救う」という前向きなメッセージはスター・トレックを良く知らない観客にも届くはず。
『しゃべれども しゃべれども』・・・今年観た映画のベスト3には入りそうな作品です。世代も性別も違う、人生頭打ちの4人が出遭うことによって、それぞれが前へ進んでいく様を描いた傑作。
落語界、今も残る下町の風景、不器用な男女の心の機微。全てが消費される為だけに制作される最近の日本映画にない品格を感じます。語るに必要な要素をちゃんと入れつつ冗漫に流れない脚本、一見地味ながら飽きないように工夫された演出・編集。そして特筆すべきは主人公の二つ目の落語家を演じた国分太一さん。どうしてあんなに落語が上手く出来るのだろうか?あんなにTVで売れっ子なのに、いつ練習したのだろうか。香里奈さんも感情表現の下手な、それでいて記憶力抜群の女性を好演です。
流行り廃りの中で埋もれさせてはいけない作品だと強く主張しておきます。
『過去のない男』『街のあかり』・・・アキ・カウリスマキ監督の作品は間の抜けたおかしさがあって、現実の厳しさもあるのだけれど、救いがあって「人生って悪くないな」と思えるラストが特徴。この2作もそんな感じ。ここまで来ると「お家芸」です。
今回は省略がありませんでした。何かしら語りたくなる作品ばかりで、そういう意味では全て「当たり」でした。
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