先週末、公開になった『ヤッターマン』を観に行きました。
ワタシは映画館でこれほど泣いたのは初めてでした。
休日の昼の回とあって、場内は子供連れのファミリーで8割方席は埋まってます。田舎の映画館でこの混み様は大ヒットということでしょう。
子供たちは概ね小学校入学前、幼稚園入園前の子もちらほら見られます。
アニメの実写化、しかもお父さんお母さんはオリジナル放映の直撃世代とくれば、家族連れの動員が見込めるキラータイトルでしょう。
しかしワタシは一つ危惧していることがありました。
三池崇史監督は、確かに実力のある監督ですが、必ずといっていいほど「大人向け」の描写やギャグが入ります。子供向けの題材でも容赦はしてくれません。果たしてこの『ヤッターマン』、お父さんお母さんがドン引きする目に遭うのでは、と要らぬ心配をしておりました。
そして上映開始。
のっけからタツノコ・プロのキャラが出現。そのまま、まどろっこしい説明もせずに見せ場へ。
スゴい!!アニメのまんまだ!
一つ一つの描写に子供のころ観たアニメ版の記憶が蘇り、「あーっ、あの時と同じ!!」と感激の声が漏れてしまいます。あまりに見事な実写化ぶりに笑ってしまう程です。
中盤、ヤッターワンでドクロストーンのありかに向かう描写に至っては、もう文字通り抱腹絶倒。笑い過ぎて涙が止まりません。
そのまま、やはり全編に炸裂する子供置いてけぼりの大人向けギャグの波状攻撃に大笑い。
細部までこだわった美術・衣装の見事さ、キャストのハマり具合(なんといっても深田恭子さんのドロンジョの存在感、体当たり演技が凄いです)、オリジナルのキモを外さない誠実さ(アニメ版ドロンボー一味の声優さんたちも出演!)、最後の最後まで観客を楽しませようという姿勢も好感。
あえて気になったところを挙げれば、クライマックスが中盤までのテンポの良さに比べ、若干モタつき気味だったこと、そして「ブタもおだてりゃ木に登る」(これもあります!)のシーンで、ブタが可愛い声で「ブーブー」といいますが、あれはオリジナル同様「木に登る」の「る」を言い終わった後すぐにサイレンのような「ブーッ」でやって欲しかったところでしょうか。でも鑑賞後の満足感の前にはそんなことはどうでもいいことです。
繰り返しますが、ワタシは映画館でこんなに泣いた事はありませんでした。しかしそれは「笑い過ぎて」と、オリジナルの抜群な実写化に感激してのことです。ストレス解消にはもってこいの1本でしょう。早くも今年のベスト1に出会ったかも知れません
タツノコ・アニメを観て楽しい子供時代を過ごした皆さん、今こそ映画館にお礼参りするのです。
さすれば子供時代のあの作品を、現代に見事に蘇らせた日本映画の奇跡を目撃することでしょう。
ちなみに、付き合い始めのカップルや家族連れの方は、それなりに覚悟して行って下さい。
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